3Dプリンターの選び方を初心者でもわかるように解説

家庭用の3Dプリンターが数多く販売されるようになり、今後もますます3Dプリンターに興味を持つ一般の方が増えてくると考えられます。3Dプリンター自体も進歩しており、製品開発競争も激しくなっています。家庭に3Dプリンターが導入されるようになり、趣味だけではなく、オリジナルグッズ販売などのスモールビジネスに3Dプリンターを活用しようという方も増えてきました。

この記事では、初めて3Dプリンターを購入する方のために、その選び方を解説しています。3Dプリンターを使ってアイデアを形にしたいとお考えの方は、ぜひ読んでみてください。

3Dプリンターの選び方

3Dプリンターを選ぶ際は、主に「造形方式」「造形材料」「造形サイズ」「機能」「値段」を基準にします。この5つのポイントを考慮し、望んでいる物を作れる製品を購入するとよいでしょう。

造形方式で選ぶ

普通のプリンターのプリント方式には、インクジェットとレーザーがあります。同じように、3Dプリンターの造形方式には、「熱溶解積層方式」「光造形方式」「インクジェット方式」「粉末焼結方式」「粉末積層方式」があります。

ここでは、家庭用の製品がある熱溶解積層方式と光造形方式についてのみ解説します。望んでいる物を作れる3Dプリンターはどちらの造形方式なのか考えてみてください。

熱溶解積層方式

現在、一般ユーザー向けに販売されている安価な3Dプリンターのほとんどは、この熱溶解積層方式の3Dプリンターです。熱溶解積層方式の3Dプリンターは、フィラメントと呼ばれる樹脂材料を熱して溶解させ、これを積み重ねていくことで造形します。

もちろん、熱溶解積層方式の3Dプリンターはビジネスの世界でも使われており、プロトタイピングや治具などに使われることが多いようです。

熱溶解積層方式のデメリットは、積層痕が目立ちやすいこと。そのため、造形物の表面があまりなめらかではありません。もちろん、研磨などにより表面をある程度きれいにすることは可能ですが、繊細な表面仕上げができる3Dプリンターを探している方には、熱溶解積層方式はあまり向かないでしょう。

光造形方式

光造形方式の3Dプリンターは、紫外線にさらされると硬化する液体樹脂を使って造形します。樹脂を硬化させる際は、一層ずつ細かく硬化させて積み上げていくため、造形物の表面をなめらかに仕上げることが可能です。樹脂材料の値段が高いので、造形コストがかさむことはデメリットだといえます。数は少ないのですが、家庭用の3Dプリンターにも光造形方式を採用している製品があります。

造形材料で選ぶ

3Dプリンターで使用する造形材料には以下のようなものがあります。用途に合った造形材料はどれなのかしっかり考え、その造形材料に対応した3Dプリンターを選びましょう。

ABS樹脂

ABS樹脂は、私たちの生活とともにあるプラスチック素材です。家電製品、車、建材など、さまざまな製品に使われている樹脂ですので、3Dプリンターでの造形に最適な造形材料だといえるのではないでしょうか。耐衝撃性に優れ、塗装することも可能です。熱溶解積層方式の3Dプリンターで使用できます。

PLA樹脂

PLA樹脂は、植物性の成分から作られるエコなプラスチックです。耐久性は、ほかのプラスチック樹脂より劣りますが、とにかく扱いやすいため、初めて3Dプリンターに触れる方には特におすすめの材料です。熱溶解積層方式の3Dプリンターで使用できます。

PP

PP(ポリプロピレン)は、熱に強く、やわらかさと強さをあわせ持ち、さらに安いという、物づくりのためにあるようなプラスチック樹脂です。家電やスマホケースをはじめとしてさまざまな製品に使われています。ただし、耐候性にやや不安があるため、外で使うような物の造形には向きません。熱溶解積層方式の3Dプリンターで使用できます。

ナイロン

ナイロンもさまざまな製品に使われている樹脂です。値段が安いため、初めて3Dプリンターを扱うという方にやさしい造形材料だといえるでしょう。シンプルなインテリア小物や雑貨を作ってみてはいかがでしょうか?熱溶解積層方式の3Dプリンターで使用できます。

ABSライク

ABSライクは、衝撃や熱に強いという点でABS樹脂のような特徴を持つエポキシ系樹脂で、光造形方式の3Dプリンターで使用できます。すべてがABSと同じわけではありませんが、光造形方式の3DプリンターでABSのような材料を使用したいなら、ABSライクが最適です。

PPライク

PPライクもエポキシ系樹脂で、やはりPPのような、衝撃や熱への強さを持っています。やはり光造形方式の3Dプリンターで使用可能です。

アクリル系スタンダードレジン

完全に透明ではありませんが、アクリル製品のような透明感が出せる造形材料もあります。光造形方式の3Dプリンターで使用可能です。

造形サイズで選ぶ

これから3Dプリンターで作ろうとしている物はどれぐらいの大きさでしょうか?家庭用の3Dプリンターで最も一般的な大きさは、140mm×140mm×140mmです。通常は、このサイズのものを選べばよいでしょう。

想定している造形物が大きい場合は、このサイズだと作れない可能性がありますが、その際は、分割して作れないか考えてみましょう。

実はサイズの大きい3Dプリンターには小さくないデメリットがあります。ひとつの物の造形に時間がかかることや、造形中に変形が発生しやすいこと、また、材料が途中でなくなってしまう可能性があることも覚えておきましょう。

機能で選ぶ

市販品の3Dプリンターの進化は著しく、それぞれの製品に搭載されている機能も、ユーザーのニーズを満たす形で発展しています。以下のような機能が備わっていれば、造形を快適に進められるでしょう。

オートキャリブレーション

オートキャリブレーションは、プリンターが自動で水平を検知し、角度を調整してくれる機能です。3Dプリントでは、この水平がとれていないとデータどおりの造形物を出力することができません。水平器を購入してもよいのですが、とても便利な機能なので、この機能が備わる3Dプリンターを購入するという考え方があってもよいでしょう。

モニター付き

モニター付きの3Dプリンターなら操作を3Dプリンターで行えるという利点があります。パソコンに不具合が発生して3Dプリンターを操作できなくなってしまっても、モニター付きなら安心です。

社外品の材料が使える

3Dプリンターの中には純正の材料しか使えないものが存在します。このような3Dプリンターではコスト的に厳しくなることが多いので、できれば社外品の材料が使える3Dプリンターのほうがいいでしょう。

ソフトウェアへの対応

3Dデータを作成するモデリングソフトへの対応数も、3Dプリンターを選ぶ際の要素のひとつです。なるべく多くのソフトに対応している3Dプリンターを選ぶと、物づくりの幅も広がるでしょう。

値段で選ぶ

やはり、値段は3Dプリンターを選ぶ際に重要な要素です。現在は1万円台の3Dプリンターもありますが、家庭用とはいえ、上を見れば100万円を超えるものもあります。望んでいる造形物を作れるスペックがそろっていて、なおかつ考えている予算に見合った製品があれば、それがあなたの3Dプリンターです。

まとめ

3Dプリンターの選び方を解説しました。家庭用の3Dプリンターのほとんどが熱溶解積層方式を採用していますが、光造形方式を採用した製品も選べます。本記事を参考にして、あなたの目指す物づくりに合った3Dプリンターを見つけてください。

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