Creality 3D の光造形方式 3Dプリンター
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これからますます注目。新製品も続々投入されている Creality 3D の光造形方式プリンター
美しい造形を短時間で可能にする光造形方式 3Dプリンター。ただし後処理必須な点を注意
光造形方式のプリンターでは光硬化樹脂(レジン)を使って造形が行われます。光硬化樹脂は光で硬化する特殊な液体です。この樹脂に光を照射することで一つの層を硬化させ構築、積み上げて次の層を構築するということを繰り返し、立体を造形します。層の硬化には様々な手法がありますが、Creality HALOT シリーズでは液晶パネルに一つの層の形状を投影、これをフィルターとして光源を通過させることによって一つの面を構築しています。少し雑な説明をするとモノクロのタブレットのようなスクリーンがあって、この通常白黒の「白」の部分が「白」ではなく、硬化樹脂を硬化させる強力な紫外線だというようなイメージです。このタブレットのようなスクリーンを下にして、硬化樹脂をその上に満たすことで、このモノクロ画面に投影された画像が一つの層として硬化されて形成されるという具合です。この方式では一つの層を一度に造形できるので、全体の造形にかかる時間が、FDM方式などと比較して短時間で済むという特徴があります。また、一つの層の厚さは FDM 方式が通常 0.1mm - 0.4mm 程度であるのに対して、低価格モデルの HALOT-ONE でさえ 0.03 - 0.05 mm と非常に細くなっています。このためその印刷結果について FDM 方式に見られるような積層痕はほとんど気にならない程度となっており、極めて滑らかな造形ができるのは光造形方式の最大の魅力です。
美しい造形がしかも短時間で仕上がる点が光造形方式の優れている点である一方、FDM 方式などと比較して扱いが若干面倒なところはあらかじめ理解しておく必要があります。まず光造形方式の3Dプリンターで印刷されたモデルには「洗浄」と「硬化」という後処理が必要になります。「洗浄」は余分な光硬化樹脂(レジン)を流し取る作業で、アルコールを使って行います。最近は水で洗い流せるタイプのレジンも出てきましたので、洗浄用のアルコールの確保やその保存方法などにわずらわしさを感じる場合、これら水洗い可能なレジンを選ぶとよいでしょう。次に「硬化」です。3Dプリンターから出力されてきた立体はまだ完全には硬化していない状態です。ここに UV ライトを一定時間照射させ造形物を完全に硬化させる必要があります。完全に硬化する前のレジンは手で触れるとアレルギー反応を起こす場合があります。したがって洗浄と硬化の一連の作業は直接造形物やレジンに触れることがないよう、手袋をして行う必要があります。なお、Creality 3D は UW-01 と UW-02 という洗浄と硬化を効率的に行える機器も販売しています。特に UW ライトの照射は安定して、均一に行えていることが望ましいので、それを実現できる UW-01、UW-02 の導入はそれなりに価値があります。なお UW-01 と UW-02 の違いは対応できるモデルの大きさで、UW-01 は HALOT-ONE で印刷されたモデル向け、UW-02 はそれより大きなモデルにも対応できる大きさを備えています。
印刷が終わった後の後片付けも大切です。印刷が終わって余ったレジンの保存についてちゃんと考えておく必要があります。太陽光でも長時間さらされるとレジンは固まってしまいます。3D プリンターのトレイに残っているレジンは蓋をして完全に日光を遮断するか、ロートなどを使って再び容器に戻して、光が入らないよう容器の蓋をちゃんと閉めるかなどして、次回の印刷の際もレジンが使えるようにしておきます。
HALOT-ONE についてもう一つ付け加えると、造形できるサイズが 127mm x 80mm x 160mm と他と比べてそれほど大きくないことも気を付けてください。自分が造形したいと思っている対象がこのサイズに収まっているか確認しておきましょう。
FDM 方式の手軽さに対して光造形方式は科学実験のようであり、また一つの作品を作るような感覚でもあります。手間暇がかかる分、仕上がった造形物もきっと作品というに足るものになっているはずです。
特許も多数、進化を続ける Creality 3D の光造形方式プリンター
Creality 3D は光造形方式プリンターの分野でも多くの特許を取っており、今後もその製品ラインアップを拡充させることは間違いありません。特に10万円以下の低価格帯の光造形方式の3Dプリンターはここ数年の間に起こってきたトレンドであり、今後が期待される領域です。Creality 3D はこのカテゴリーに HALOT シリーズで製品を投入しました。HALOT シリーズについて他のメーカーと異なるユニークな点の一つとしては印刷面に投影する光源の仕組みにあります。多くの低価格帯の光造形プリンターは硬化のための光源として、UV LEDライトを縦横に行列にして並べることで照射面全体に光りが照射されるようにしています。しかしながら、この方法には一つでも LED が不調となるとそこが暗点となり印刷が安定しなくなる、並べられた LED の間の部分の明るさを均一にするのが難しい、などの欠点がありました。HALOTシリーズは独自の統合型の光源(インテグラルライトソース)という方式を採用しており、これは UV LED の明かりを投影面に直接照射するのではなく、屈折、反射させてから照射することで投影面全体に均一な明るさをもたらすことに成功しています。