ロボットキット Otto とは

(こちらは note ブログに掲載した記事を再掲載したものになります)

 ここでは私のオンラインストアで扱っているロボットキット Otto について紹介させていただきます。

 ロボットキット Otto は、チェコ共和国が母国である Camilo さんが中国は深センで仕事をされていた時に、手ごろな価格で誰でも手に入れられ、簡単に組み立てられるロボットキットの必要性を感じ、彼の手によって生み出されたロボットです。2016年にそのロボットは生まれ、そのハードウェアとソフトウェアの仕様はオープンソースで公開されました。以来誰でも組み立てられて、誰でも自由にカスタマイズできるロボットキットとして世界中で活用されています。Camillo さんは現在、Otto ロボットのキット販売と情報発信のチャンネルとして Otto DIY という会社を運営されています。

Otto ロボット、その概要

 その構成を見ますと、電子工作用のサーボモーターとしてメジャーな SG-90 というタイプのサーボモーター4つの組み合わせで2足歩行を実現しています。ボディーの目に見える部分は超音波センサーになっており、前方の障害物をとらえることができます。ボディーの中にはブザーが内蔵されていて、音を鳴らすこともできます。

その動いている様子はこちらです

 ボディーは3Dプリンターで印刷されたもので、その印刷データも公開されています。3Dプリンターが手元にあれば、自身で好きなボディーカラーで外観を作り上げることができます。

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 それぞれの機能は Arduino プログラムでコントロールされます。ハードウェアの構成としては初期モデルは Arduino Nano と I/O 拡張シールドがボディーの中に内包されていましたが、最新のモデルでは専用設計のシングル CPU ボードが採用され、これがボディーの中に入る設計に。このシングル CPU ボードには Arduino 互換の機能と、サーボモーターなどを接続するためのコネクター類が実装されています。

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 プログラムは Arduino IDE または、専用のビジュアルプログラミングツール Otto Blockly により行うことができます。Arduino IDE でプログラミングをする際には専用のライブラリがオープンソースで提供されており、これを IDE に取り込むことで、歩かせる、音を鳴らすなどの基本的な動作は関数呼び出しだけで行うことができるようになっています。また、Otto Blockly はブロックの組み合わせでプログラミングを行うことができるツールで、プログラミングの基本的な考え方を学習するのに最適です。

Otto Blockly のスクリーンショット

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 ハードウェアの拡張性も考慮されているところも特徴で、ボディーは上半分と下半分で別れるようになっています。この中間部分に拡張パーツを組み込むことで追加の機能を与えることを可能にしているのです。

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例えば腕と LED行列、音センサーをセットにした拡張は標準の拡張パーツとして Otto DIY から「ヒューマノイドキット」という名前で販売もされています。

ヒューマノイドキットで拡張した Otto ロボットの動く様子

  仕様が公開されているので、拡張の幅は非常に広く、独自拡張をさえる愛好家も世界中にいます。この独自拡張を remix と呼んでおり、Otto DIY サイトの中からもそのいくつかの例を確認することができます。

Remix の例

また Otto DIY 自体は提供するロボットの進化を継続させており、最新のロボットは Ninjaといいます。タイヤもついており、車輪による移動と、歩行による移動、両方が可能な点と、WiFi 通信をサポートしている点が特徴です。

誰向けのロボット?

 Otto ロボットの主なターゲットとしては、子供向け、プログラミングなどの教育向けが想定されています。一方でその組み立てや、ソフトウェアのセットアップの手順などを実際に体験してみると、子供が単独ですべてを完了させるのは少しハードルが高そうです。組み立てキットに含まれるパーツは3Dプリンターで印刷されたパーツが主なので、若干の誤差が含まれている場合もあり、やすりがけなどパーツを若干調整しなければならないこともあります。

参考:Otto ロボット組み立て手順

 実際の活用されている例を見ると、親子で一緒に作ってみる、または教室などで先生の指導の下でキットを組み立て、プログラミングを体験するなどの利用方法が多いように見受けられます。

 個人的には世界中に広がっているコミュニティーとつながれるいい場所なのではないかとも思ってます。オリジナルの remix を作って世界に発信して世界から注目を受けることも可能かと思います。 私自身は Otto Blockly のローカライズなどいくつかの作業で Otto DIY のプロジェクトを協力しました。それらはすべて無償で行ったわけですが、Camillo さんやその他関係しているメンバーとつながることもでき、それはお金以上の価値があったと思っています。

 皆さんも Otto の世界に触れていませんか? 国産のおもちゃ等と比べるといろいろな面で洗練が足りていないところはあるのですが、そういった点も含め個人的には多くの学びがありました。いつか国産 remix の世界販売などできたら面白いなぁとかも思っていたりもします。

最後に

 以下は、私のオンラインストアでの Otto のページです。簡易日本語マニュアル同梱で販売しています。また、日本語での詳しい取り扱い説明などもオンライン上に誰でもアクセスできる形で提供させていただいています。